キリギリス・クビキリギスの危険性【専門家執筆】

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目次

キリギリス・クビキリギスに危険性はある?気を付けるべき点と嚙まれた場合の対処法とは

キリギリスは、大きめのバッタのような昆虫です。
実際に見たことは無くても、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
「アリとキリギリス」という童話があったり、鳴く虫として有名であったりすることから、なじみのある昆虫だと思います。

しかし、硬い草をかみ砕いたり、他の昆虫を捕食する習性があるため、顎がとても発達しています。
力が強く、噛まれると出血するほどです。
素手で捕まえると、噛まれてけがをする危険性があります。

そこでこの記事では、キリギリスの危険性や、危険にあった時の対処法、危険を防ぐための対策などを紹介します。
また、キリギリスと近い種で同様の性質と危険性があるクビキリギスについても紹介します。

 

この記事を執筆した専門家

tk_tanaka【プロフェッショナル】

生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
地理情報、自然環境や生物の生態等を専門とするほか、環境アセスメント図書作成の経験も有する生物環境分野の専門家。

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キリギリスの基本情報

キリギリスは、大きめのバッタのような昆虫です。
広い分類ではバッタと同じ仲間に含まれる種で、似ているところが多いですが、違うところも結構あります。

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キリギリスの外見は、体長が3~4cm程度と大型のバッタサイズで、体高が高く分厚い体をしているため、迫力がある見た目をしています。
バッタと同じく緑色の個体が多いですが、茶色系統の色をしている場合もあります。

触角が非常に長いこともバッタと大きく違う見た目の特徴です。
アリとキリギリスといった絵本などに出てくるキリギリスは、頭に特徴的な長い触角が描かれることが多いです。

また、習性面でもバッタと違いがあります。
バッタは草食性で草のみ食べていますが、キリギリスは雑食性で草以外にも昆虫を捕食して食べています。

しかも、死骸をかじるような食べ方ではなく、生きている昆虫を捕まえて食べてしまいます。
そのため、非常に大きく強力な顎を持っています。

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クビキリギスはクビキリギリスと呼ばれることもあるキリギリスと近い種です。

キリギリスと同じく緑色や茶色系統の体色をしていて、強く大きな顎を持っています。
見た目は、キリギリスよりさらに大きく5~6cm程度に達しますが、体高は低いためスマートな印象です。

口の周囲が赤い特徴的な見た目をしています。
また、体全体が赤色している個体も時々発見されることがあります。

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遭遇する地域や環境

キリギリスは、日本全国に生息しています。

なお、厳密には北海道にはハネナガキリギリス、東日本にはヒガシキリギリス、西日本にはニシキリギリス、沖縄にはオキナワキリギリスという感じで、地域ごとに非常によく似た別種が生息しています。

これらをまとめてキリギリス類として扱われることが多いです。

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主な生息環境は日当たりの良い草地です。
草地の中でもススキなど比較的高さがある草原を好むようです。

草原以外にも河原や林内の茂みなどで見つかることもあるようです。
このように比較的広い環境で生息していますが、草地の風景に紛れるような色合いをしているため、目視で確認するのは困難です。

遭遇する場合は、目視で確認するのではなく、鳴き声を聞くことで生息を確認できる場合がほとんどです。

鳴き声は「ギー」「ジー」という音の合間に「チョン」という短い音が入る感じです。
「ギーチョン」「ジーチョン」といった表現をされる場合もあります。

クビキリギスも草地や河原、林内等に生息しています。

キリギリスと同じく、通常生息している草地などでは目視で確認するのは難しく、鳴き声を聞くことで生息を確認できる場合がほとんどです。

ただし、夜間に電灯に集まってきた個体が周辺の壁にくっついている場面に遭遇することもあります。
鳴き声は「ジー」「ビー」という電子機器の雑音のような単調な音が続きます。

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遭遇する時期や時間帯

キリギリスは、明るい時間帯から夜にかけて活動します。


そのため、日中から暗くなるまで比較的長い時間、鳴き声を聞くことができます。
初夏から秋の時期に成虫として活動するため、梅雨明けの頃から草地などで鳴き声が聞こえます。

クビキリギスは、夜行性でキリギリスと異なり夕方以降に活動します。
そのため暗くなってから鳴き声が聞こえ始めます。

一生が少し変わっており、夏に卵から幼虫が生まれて、秋に成虫となり、冬は冬眠して、翌年の春に産卵します。
そのため、成虫で活動するのは産卵前の春と秋になり、この時期に鳴き声を聞くことができます。

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キリギリスの危険性

キリギリスやクビキリギスの危険性は「噛みつかれること」です。

両種とも大きな顎を持っており、硬い葉を持つ草や他の昆虫を捕食するのに適した構造と強さが備わっています。

数センチのバッタみたいな生物なので気を抜いてしまうかもしれませんが、その小さな見た目とは異なり、発達した口で噛まれると出血する危険性があります。

特にクビキリギスは噛まれてもなかなか離さない習性があり、「一度噛んだら、首が外れるまで離さない」というのが種名の由来だそうです。

このように噛まれるとケガをする危険性がありますが、攻撃的な種ではないためどこからか飛んできて、自ら噛みついてくるようなことはありません。

非常に接近すると噛まれる可能性があるかもしれませんが、そもそも草地に潜んでおり目視することが難しく、こちらの気配を察知したら逃げてしまう習性があるため、噛みつかれる恐れがあるほど近づくことは難しいです。

 

危険にさらされたときの対処法

キリギリスやクビキリギスに噛まれた箇所は、出血をして腫れる場合があります。
痛みが数日続く場合もあるようです。

もし、嚙みつかれた場合には、通常の切り傷と同様に、きれいな水で洗浄し、可能であれば消毒しましょう。

なお、両種とも毒はありません。
そのため、毒を吸い出したり、血清を探すなどといった毒を持つ虫に刺されたときのような対処は必要ありません。

 

危険を防ぐための対策

キリギリスやクビキリギスの危険を防ぐための最も効果的な対策は「素手で触らないこと」です。

体長は数センチで少し大きめのバッタサイズであるため、見つけたら手で捕まえてしまいたいと思う人もいるかもしれません。

しかし、上で説明した通り、硬い草を食べたり、他の昆虫を捕食する習性があるため、顎がとても発達しており、噛まれた場合には出血するほどの力があります。
しかも、噛みつかれるとなかなか離れてくれないことも多いようです。

このように噛まれたらケガをする恐れがあるため、素手で捕まえることはやめましょう。

捕まえることができるほど近づくのは難しいですが、たまたま近くにとどまっている個体に遭遇した場合には、むやみに捕まえたり手を伸ばしたりすることはやめて、離れたところから観察するようにしましょう。

 

まとめ

本記事では、キリギリスとクビキリギスの危険性や、危険を防ぐための対策などをまとめました。
説明した内容をまとめると以下の通りです。

– 両種とも大きめのバッタのような昆虫
– 顎の力が強く噛まれると出血する可能性がある
– 草地に紛れていることが多いため目視できる機会は少ない
– 偶然見つけても攻撃性は無いため触らなければ安全

バッタのような見た目なので、見つけたら思わず捕まえたくなるかもしれませんが、強い力で噛みつかれる危険性があります。
素手で捕まえるのは絶対にやめましょう。
もし、キリギリスに噛まれた場合の対処法は「切り傷と同様、清潔にして保護すること」です。

 

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【プロフェッショナル】(生物・環境)
生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
地理情報、自然環境や生物の生態等を専門とするほか、環境アセスメント図書作成の経験も有する生物環境分野の専門家。
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