マヌカハニーの安全性と危険性とは?食べても大丈夫?
新型コロナウイルスなど感染症を契機に、感染を防ぐ効果があるとして、インターネット上で注目されているサプリメントの一つとしてマヌカハニーがあります。ひと匙でワクチンよりも感染を防ぐ効果が本当にあれば、夢のようなサプリメントですよね。
この記事では、マヌカハニーの成分は本当に安全なのか、効果は本当にあるのかということについて解説していきたいと思います。
マヌカハニーについて
マヌカハニーは、マヌカという植物の花蜜を原料とするハチミツを示します。
マヌカはニュージーランド原産のフトモモ科の低木で、ギョリュウバイ、ネズモドキとも呼ばれています。マヌカハニーはニュージーランドの主要輸出品の1つとされています。
マヌカハニーの主成分
ニュージーランドの規定によると、4種の成分 (3-フェニル乳酸、2’-メトキシアセトフェノン、2-メトキシ安息香酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸) を一定量以上、かつマヌカの花粉由来のDNAを含有することがマヌカハニーの条件とされています。
花蜜にはジヒドロキシアセトンが含まれ、保存中にメチルグリオキサールに変換されます。感染を防ぐ効果があるとされているのはこのメチルグリオキサールで、マヌカハニーにおいて最も重要と考えられている成分です。
サプリメントの効果について
一般的に「免疫機能を高める」「感染症を予防する」「腸内環境を改善する」などと言われていて、マニカハニーの販売でもこれらの効果があるように宣伝されています。
一方、人での有効性については情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらないと言われており、効果が明確に証明されている訳ではない部分に注意が必要です。
しかし、これはサプリメントとしては一般的なことです。サプリメントは原則的に食品であるため、薬のように効果や効能を宣伝することができません。マヌカハニーもあくまでもサプリメントであるため、効果を記載することができないのは当然と言えます。
販売サイトでは、「〜〜と考えられています」や「〜〜と言われています」などの断定的ではない文言で書かれていることが多く、ホームページ等に記載されている文章をしっかりと読むことが大切です。この特徴も医薬品ではないサプリメントでよく行われている宣伝方法です。
安全性は問題がなく、大丈夫なのか?
蜂蜜として摂取するマニカハニーは安全性が高いと考えられます。確かに蜂蜜は安全で食品としても使用されていますので、この点は安心できると思います。
一方で、マニカハニーをサプリメントのような形で濃縮しているものについては、安全性に関する十分な情報がなく、注意が必要です。
蜂蜜ですので、当然ではありますが、12ヶ月齢未満の乳児は摂取することができません。また、妊婦や授乳婦が濃縮物を摂取する場合の情報も十分ではなく、注意が必要です。
国内ではマヌカハニーを摂取した後の健康被害が報告されています。マヌカハニーによる口腔アレルギー症候群が疑われた症例が2例報告されていますが、一般的な食品アレルギーと同様の注意で良いと考えられるため、蜂蜜の状態であれば特別な注意は不要と考えられます。
主成分であるメチルグリオキサールの含量について
マヌカハニーが効果を示すために主成分と考えられているメチルグリオキサールは、マヌカハニーに含まれているジヒドロキシアセトンが保存の過程で変化し、生成されます。
すなわち、保存状況次第でメチルグリオキサールの含有量が変化するため、一定の量が含まれていない可能性もあります。また、食品として販売されているマヌカハニーは滅菌などの処理が行われていません。そのため、治療目的で使用することには適さないとされています。
マヌカハニーを使用した飴などでは、原料として使用したマヌカハニーのグレードが記載されていることがありますが、最終的な飴の状態で含まれているメチルグリオキサールの量が記載されているものは少なく、濃縮物の場合には最終的な量を確認するべきであると考えられます。
メチルグリオキサールは熱に弱いとされています。マヌカハニーを使用する際には、なるべく加熱を避けて使用した方が、メチルグリオキサールの量を保つことが可能という観点では良いでしょう。加熱した場合に、どの程度メチルグリオキサールが効果を失うかについても十分な情報がないため、極力不必要な加熱は避けた方が良いでしょう。
まとめ
マヌカハニーは「免疫機能を高める」「感染症を予防する」「腸内環境を改善する」効果があると言われていますが、人において十分な効果があると科学的な証明されている訳ではない点には注意が必要です。
サプリメントである以上有効性は担保されていなく、また有効成分に関しても科学的に十分なデータがあるとは言えない状態です。
マヌカハニーそのものは蜂蜜であるため、一般的な量を摂取する場合には健康上の問題はないと予想されます。一方、サプリメントなどの形で濃縮した高濃度のものを摂取する場合には、安全性に関する情報が十分ではないため、使用にあたっては注意が必要です。もし購入する場合は、こうしたリスクを考慮したうえで試されると良いでしょう。
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